考察・小物

これはRUNE『初恋』のワンシーンだが、本編とは時間も場所も連鎖していない。夢の中のようなものであり、ただ彼女はメインヒロインのひとり、桜井小桃に関する人物であり、彼女を見ているのもまた、主人公の初島稔に関する人である。まぁふたりが何者かはRUNE『初恋』そのもので見ていただくとして……あ、Windows10でもちゃんと動きますからね。

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人物名について

登場人物の名前について。

もう十五年くらい前になったが、涼宮ハルヒの憂鬱シリーズという有名作品があった。

かの作品の主人公である語り手は『キョン』とだけ呼ばれて名前が一切出てこないのだけど、あれは一種のギミックでもある。ライトノベルの読者は主人公に自分を投影しがちであるというのを逆に利用し、主人公名を記号にしたのだと思われる。
こういう演出の工夫はいくつかの作品に見られる。たとえば、とあるゲームでは友人たちはよく喋るのに主人公は決して喋らない(例:ドラゴンクエスト)。主人公=プレイヤーを投影するものだからだ。

ところで、物語の主人公格なのに名前がない、あるいは意図的に語られないケース、実は結構ある。多くは演出上の理由だったり、あまり意味がなかったりする。

たとえばH.G.ウェルズ『タイムマシン』の主人公は時間旅行者とされているだけで名前は一切出ないが、これは『時間旅行者』以外の肩書は無駄な設定だからだろう。

アルプスの少女ハイジのおじいさんは「アルムおんじ(Alm-Öhi)」または「おんじ」と呼ばれているが、これは牧草地のおじさん、あるいはただのおじさんという意味のあだ名で、もちろん名前じゃない。そしてフランクフルトから来た人たちも、おじいさんとしか呼んでいない。(ハイジではいくつかの点で名前が特別な意味をもつ。たとえば有名なロッテンマイヤー女史は名前イコール、クリスチャンネームなので、ハイジの自己紹介をきいて「それはあなたの名前ではないでしょう」と、アーデルハイトの名で呼ぶ。これは聖者の名で、ハイジはアーデルハイトの愛称でもあるのだが、名乗ってきた名前まで全否定される勢いで、もちろんハイジはこれから大変な目にあうのだけど、それを象徴するような話である)。

さらに別の作品では、作中で主人公が会話の中で名乗るまで、ナレーションも少年と語り続けている(例:さいとうたかを『サバイバル』)。

[メモ] NanaTerryで作ったアウトラインメモを、OlivineEditorで使いたいときの秘訣

NanaTerryで作ったアウトラインメモを、OlivineEditorで使いたい。
そもそもアウトラインプロセッサの愛用者で、しかもNanaTerryを使い、さらに異種OSも使うなんてユーザーがどれだけいるかわからないけど、自分むけのメモとして置いておく。あとでwikiにも書いておく。

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うちのサイトの小説をkindleで読むための実験開始。


まず、うちのサイトの更新システムに組み込んでみました。うちはもともとXHTML1.1に変更ずみだしFateの二次創作してた頃にUTF-8に全面乗り換え済みで、しかもepubを意識して1作品1フォルダ体制に移行して久しい。よってepubへの変換モジュールの作成は一晩かからなかった。
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『黒の魔王』の進展がゆっくりになっている件について考察

最近夢中になっているネット小説のひとつに『黒の魔王』がある。いろいろと厨ニ病的だったりヤンデレ全開だったりするが、これがなかなか面白いのだ。おすすめである。

http://ncode.syosetu.com/n2627t/

ところでこの作品、あまりにも枝葉の話が多すぎて進展が遅くなっているとの噂がある。連載自体は週二回という素晴らしい速さなのだけど、実質、雑誌連載の長編小説のようになってしまっているようだ。

ちょっとここで、どんぶり勘定で長さの検証をしてみる。以下はストーリーのネタバレを含むので注意。

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お気に入り小説紹介『第八公女奮闘記』

http://ncode.syosetu.com/n0397bc/

主人公は洗濯メイド。仲間たちと朝から晩まで巨大なお城の一角で洗濯物を洗い続ける日々を過ごしている。だけど本当は日本人の剣道少女で、ある日突然に殺された挙句『キンドレイド』という一種の奴隷のようなものに変えられてここに送り込まれた。主人たちの機嫌を損ねたらいつでも簡単に殺される消耗品、それがキンドレイドの実態なのだけれども、彼女は最下層であるが故に、自分たちより上位のキンドレイドにいじめられる事はあっても恐ろしい主人たちにはそもそも出会わない、という一種の隙間産業的な状況の中で忙しく、だが平和に生活していた。いつか帰りたい、そんな希望だけを胸にしながら。
だけど事態は変わっていく。
自分をこの城に送り込んで以来、何十年も姿を見せる事すらなかった『魔人』が唐突に主人公の前に現れた。あまりの事に固まる主人公。現れただけでその『力』にあてられ倒れる仲間たち。
その瞬間から、主人公の凍りついていた数十年という時間が動きはじめたのだった……。

いやー本作はかなり面白いです。このサイトには女性の書き手が多いのか女性視点のファンタジーが多いんですが、本作はそのへんやりすぎないように丁寧に書かれている印象があります。技量としてどうかという部分もあるんですが、一人称だしラノベ感覚なら充分に読み応えがあると思います。キャラもよく立っているし。