スカートの王子様

結論からいうと、かなり面白かった!!
プレイもしないで批評してごめんなさいです。ほんと orz

アイマスDS・秋月涼エンドの感想です。
当然、以下ネタバレ大量に含みます。

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まずオフィシャルページにもある基本情報を交えて説明する。
秋月涼は876(バンナム)プロ所属の美少女アイドル。どちらかというと中性的な容姿だが「女の子女の子していて可愛い」という菊池真の批評の通り、どこから見ても美少女。
だがしかし秋月涼は「男の子」である。たとえ共学の学校で男子に告白されようとノーマルな男の子であり、当然こんな状況は容認できるものではない。とりあえず「かっこいいイケメン」になれば男に追いかけられる事はなくなるんじゃないかと考え、従姉妹である765(ナムコ)プロの秋月律子を頼りこう言う。「僕、イケメンになりたいんだ!」と。
だが色々と紆余曲折があり、涼は「女の子アイドルとして一流になれたら男の子として再デビューさせてあげる」との甘言に騙され、女の子としてデビューするハメになってしまう……というのが大筋の物語である。
ここまでは公式サイトにもしっかり載っている。

まず、全くの余談だがうちのサイト的に涼ちんを解釈してみたい。
本編の情報を整理すると以下のようになる。

1. ナチュラルに女声を使いこなしている。また男声の時もあまり声質が変わらない。

これは声優さんの都合でなく本当に大きく変わらない設定なのだと思う。変声期を過ぎてもあまり声の変わらない男性は実際に結構いるんですよ。

(1/23追記)
それに、実際にミドルボイス等で甲高い声出してみればわかるんですが、がっつり声変わりしちゃった男性でも訓練すれば女声出せるものの、それは「それっぽい声」にしかなりません。まともに扱えるようになるには少なからぬ訓練が必要ですが、彼は当然そんな事やってない。
おそらく彼はもともと、トーンをあげる程度で女声に聞こえる種類の声質なのだと思います。そして事実、こういうタイプの声をもつ男性ボーカリストはいますので、別にこの点はおかしくないでしょう。

2. ムダ毛の処理すらしていないのに全く問題がない(水着イベントより)
3. 夏のむんむんテントの中で漢の体臭が問題にならない。

臭いなどの問題からもわかるが、どうも涼ちんにはアンドロゲン不応症候群の疑いがあるかもしれない。
まぁ、細かい説明は避けるが、男性であってもある種の先天異常が重なると、涼ちんのように「どっから見ても女の子なのに股間にはちんこついてる」ってタイプが現実に現れる可能性があるという事だ。これはフィクションでなく実際の症例です。ていうか遺伝子XY女性の歌手が本当にいます。

とはいえ当たり前だけど涼ちんはフィクションなので、たぶん究極にガーリッシュなだけの普通の男の子だと思います。
これまたいるんですよね。事実は小説より奇なりというか。
変声期や体毛程度なら個人差がかなりあるし、現実に「声変わり終わってるはずなのにほとんど変わらない男性」はいる。手足などの末端を見ると100%正常とも言いにくい部分があるが、まぁそれはフィクションだからって事で。

さて、では再び本編の感想に戻ろう。

他の子のシナリオを一切見てないので断言しないが、涼ちんのシナリオはネタ全開のギャグパート、それから真面目なシリアスパート、そして終盤の熱血パートの三つに分かれると思う。

テーマとしてズバリ言えば「スカートを履いた王子様」だろう。

男として生きる事すら否定されているひ弱な男の子。共学なのに男にマジで告られちゃうような凄い子なんだが、当然ながら本人はノーマル。嫌でたまらない。
そんな男の子が「いつか王子様になれるようにしてあげる」との甘言に乗せられて「女の子」として生きさせられる事になる、というのが簡単に言うところの涼シナリオの骨子だ。

女の子としての生活を極めた暁には男の子として出直してもよい、そう言われるわけだ。ま、ぶっちゃけ言いくるめた方はというと「この子は女の子として生きた方が幸せだろう」と思ったがゆえの善意なのであるが、こんなロクでもない対応をする時点でわかると思うが舞台の876プロに男は誰もいない。地獄までの道は善意で舗装されている、いやマジで。

だが結果としてそれでよかった。なよなよした少年に過ぎなかった男の子は「女の子」としての道を極めていくうちに様々な経験をつみ、ついには「命かける目標」や「守るべき対象」までも手にいれてしまう。そして最後には自らに課せられた「女の子にされてしまった運命」も打ち破り、凛々しい王子様へと華麗に転生・帰還するわけだ。

うむ、やっぱり王子様、あるいはヒーローものだなぁ。そもそも涼ちんってヒロイン属性とヒーロー属性の両方もったチート君なんですな。ネタものに見えるけど難しいキャラなんです。
CVあててる声優さんの声も、どうやら少年役で慣らした人のようで大変にかっこいい。特に最初の情けなさっぷりと終盤の熱血全開の漢っぷりの落差が素晴らしい。かといって平素はちゃんと「女の子を演じる男の子」を見事にやってのけている。

本ストーリーのおいしいところは、涼ちんの目覚ましい成長ぶりだと思う。
なよなよした男の子だった涼ちんだが放り込まれた環境では事実上の孤立無援。だがここで孤立無援である事はむしろよかったのだろう。ストーリー的にも背水の陣に近い状態だし、文字通り頼れるものには全て頼って前進を続けるのだ。最初の敵は同様の駆け出しばかりだけど連勝していくと相手の格がとんでもないレベルに到達してくる。やっと一人前になったばかりというのに世界をまたにかける超一流と戦うハメになるわ、もうめちゃくちゃ。さらにアイドルとして有名になってくると私生活でも級友に正体がバレそうになったりと、どんどん包囲網が狭まってくる。

涼ちんの成長っぷりも凄いが、敵のチートぶりもまるでドラゴンボールZである。私のやったストーリーでは最終的に、なんとマスコミやら出版系やら全部敵に回してしまった。「なにそれ、あんた爆弾テロでもやったの!?」と言われるほどに。いやまぁ、その比喩まったく笑えないですが。
頑張ってがんばって、とうとう社長のOKまでとりつけたというのに、男であると公表させてもらえない。録画で言えば笑って流された上に放送では全部カットされる。生は出演を拒否られる。今まで味方だった業界の全てが敵にまわり、文字通りの八方塞がりになってしまう。
このあたり、最終章の涼ちんの嘆きと絶叫は凄まじく胸が痛い。特に初プレイでドキドキしながら、悩みながら進んできた私としてもきついものがあった。マジでこれはひどい。本当、涙が出るほどの窮地に追い込まれてしまう。
でも、それでももう引かない。正しくは引けなくなった涼ちんはマジもんで漢だった。スカートをはいていようがなんだろうが関係ない。もはやその姿はヒーローそのもの。
そんな姿を目の当たりに見せられた夢子さんお気の毒です。あなたが嫁だの本妻だの言われるわけがよくわかりました。あんたらそのままくっつきなさい、いやまじで。爆発しろ ^^;
このあたり涙ものです。神演出ってこの事なのねと思わず唸りました。

あ、この後はもちろんご自分で堪能してください。

たぶん涼ちんのストーリーは「アイドルマスター」としては異端なんだと思います。可愛い女の子でありながら中身は少年、そして魂は漢。
だけど当サイト敵には傑作です。もってないならDSごと買ってでもおすすめです。いやマジで。(あくまで当サイト的にはですが。面白いことは請け合うけど、万人うけするかどうかは保証しません)

—–(追記:1/23)
あーなるほど!
なんか「声が李君みたいな人だな」と思ったら、本当に、くまいもとこさん(李君の声やってる人)の代役をした事があるらしい。まぁCCさくらでなく別のアニメのようだけど、根本的にそういう声質の人なんですね。
てかプレイ中、私の頭ん中には女装した李君がいたりしたわけですがwwwww 雰囲気が激似なんだもの ^^;;;;;;