今や大抵の本はネットで買えるがもちろん買えない本もある。
そもそも「本は書店にあるもの」と決めつけちゃいけない。実はある種の専門書や研究所は書店では売られていない。出版社を経由してない本、というのは同人誌だけの専売特許ではないのだ。
たとえば、以前母に頼まれて探したちょっと特殊な山草辞典。簡単に見つかるかと思いきやタイトルすらみつからない。理由はすぐわかった。そもそもこの本は通常の出版ですらなく、元々花卉業界にしか流通してない本だったのだ。さらに部数も少なく、古書店にも全く出回っていない。紀伊國屋などのWebでもダメだった。
で、わずかなヒントから最後は電話攻勢で花卉関係の業者の連絡先をもらい、あちこち追いかけてやって見つかった。
なんと栃木県の片隅、小さな倉庫で肥料袋の横に積まれていた。
北関東の片田舎の小さな花卉事務所。ばるばる尋ねてきた変な客なのに本当に親切に応対してくださったけど、
それ以上に個人的にも貴重な体験だった。