【後漢流離譚ネタバレ】 (タイトルからネタバレなので隠します#1)

以下、全部ネタバレです要注意。


三国志アイドル伝 ―後漢流離譚― を見終わっての考察、第一回です。
といっても、ほとんど千早関係の話になると思いますが。

スクリーンショットはNNDD使用。63話『再会』より。
スクリーンショット 2016-08-16 21.54.59

戻れると言っているやよいの言葉に、耳も目も向いていない千早。
彼女は愛する馬超のことで胸がいっぱいだった事もあるが、そもそも帰還のために合流したわけではないから。
それを象徴する、あまりにも特徴的なショットのひとつ。

アイドルたちは大きく分けて四カ所にばらけていたわけですけど、それぞれにドラマがありました……が、だいたいメンバーが少なければ少ないほど、現地の人たちとの関わりが大きかったわけですね。
これは、現実の若者の一人旅……僕の若い頃の日本一周経験からもそうですから、間違いないと思います。
同じ旅でも、ひとりぼっちの旅と誰かがいる旅では全然中身が違うのですから。

このうち、単独で転移してしまったのは、やよいと千早のふたり。
だけど、このふたりは対極といっていいほどの運命をたどる事になった。

やよいはそもそも、早い時期に真組に合流してしまった。そのせいで深いドラマにはならなかった。
ただ、それでも現地の人たちにはずいぶんと可愛がられていたみたいだから、もし長きにわたって他のアイドルと孤立していたら、やよいも厄介な立場になった可能性はあるかもしれないが。
でも結論からいえば、初期に真たちと合流したのは正解だと思う。
やよいは元の世界に帰る理由もちゃんとあった。
おそらく、こちらにしがらみが増えすぎてもおそらく、常に戻る事が頭にあったわけで。
千早のような事になった可能性は、たぶんゼロ。

コレに対し。
数年にわたり遠い涼州で孤立していた千早は、全然別の展開をしていく事になった。

もともと家族というものに非常に強い思い入れがあり、そして孤独だった千早。
その千早にとって。
自分を家族として受け入れてくれた馬家は、あまりにも暖かすぎた。
そしてそのまま数年を過ごし、馬一族の風習や習慣にもどんどん慣れていって。
ついには事実上の馬家の嫁となっていた彼女。

実際、千早漂流一年後くらいに魏の密偵が調べた時のデータは「馬家の養女」だった。他アイドルがどんなに深く関わっても結局はヨソの娘さんだったのに、千早だけ全然違っていた。

まぁ、厳密にいうと正体を隠すために身内に偽装されていた秋月律子(以降、りっちゃん)の例があるけども、彼女と千早には根本的な立ち位置の違いがある。

りっちゃんは真たちと共に転移し、やよい捜索時にいわば事故により孤立化してしまったわけで。つまり、自分は所属する母集団がちゃんとある状況の中で『周陣営』に取り込まれるカタチになっていった事。つまり、家族でなく組織に取り込まれた。

対する千早は何年も、この世界にいるのは自分だけではないかという孤独感の中にいたわけで。
しかも、そんな彼女を迎え入れてくれたのは『馬家』。組織でなく個人家族。
この違いが小さいわけがない。やよいとは別のベクトルだけど、全くの異質でしょう。

そもそも周陣営の方は、身内ですらりっちゃんの正体を知る者は片手で足りそうだった。一般には一族の娘「周律」であると認知されていて、正体がバレたら身の安全も保証困難な状況でもあった。
だから最終局面で「周律」から「秋月律子」に戻ってしまった彼女の選択肢は「皆の元に帰る」だったわけで。

千早の方はまったくの逆で、異邦人である事を隠しもしていないし、馬家も隠してない。
それは「うちの養女にした」という表明からも伺えるし、千早が歌姫である事もオープンにしていた。
さらにいうと、そもそも千早が保護された最初の理由が、今はなき、馬超の元婚約者に見た目そっくりだったという、実に、まことに人間臭い事情のオマケまでついていた……。
そしてとどめに、皆に守られてすくすくと成長した彼女は馬術も弓もネイティブの馬一族同様以上になり、さらに馬家の娘と自分を認識していったのだから……そりゃあ愛されるし可愛がられますわな。

うん。やっぱりこの違いはものすごく大きいですね。
それがいいか悪いかは別として……。

上のスクリーンショットは、馬超と離れ離れのまま成都に逃げ延びた千早のワンシーン。
だけど千早がここに来たのは、やよいたちとの再会でなく、愛する馬超との合流目的だった。
しかも、馬超の安否で頭がいっぱいの千早はそのことに自分自身もおそらく気づいてなくて、それに気づかないやよいの反応で、はじめて「えっ」という事になって。

そして馬超と再会後は、普通に馬一族の正妻&副将扱いでそっちに住むわけで。
そして結果は……。

改めて見返してみると。
ああ、この頃にはもう作者さん、千早を返す気なかったんだなぁと確かに実感できますね。

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